【米AppStoreトップ】中国製生成AI「DeepSeek」のすごさとリスクについて解説
IT技術トレンド 2025.01.30

中国製の生成AI「DeepSeek」をご存じでしょうか?DeepSeekとは、現在AI業界のみならず全世界中で注目されている生成AIサービスであり、様々なメディアで取り上げられています。ではDeepSeekとは何なのか、ChatGPTとはどう違うのか、なぜそんなに注目を集めているのか、特徴やリスクについて解説します。
DeepSeekとは
DeepSeek(ディープシーク)は、中国・浙江省杭州市に拠点を置く人工知能(AI)企業で、2023年に設立されました。主にオープンソースの大規模言語モデル(LLM)の開発を行っており、特に数学的推論やプログラミング能力に優れたモデルを提供しています。
DeepSeekの注目すべき点は、従来の高性能なAIモデルと比較して、開発や運用コストを大幅に削減していることです。例えば、最新モデル「DeepSeek-R1」は、OpenAIの「o1」モデルと同等の性能を持ちながら、この中国製生成AIの開発費用はChatGPTの10分の1とされています。これは、他の先進的なAIモデルの開発費用と比べて非常に低コストです。
このDeepSeek-R1の台頭により半導体など米国AI関連の株価に大きな打撃を与え、これは「ディープシーク・ショック(DeepSeek-ショック)」と言われています。この中国製生成AIの影響で、AI向け半導体の王者エヌビディア(NVIDIA)の株価は17%もの暴落を見せました。
DeepSeekの特徴
特徴1 利用料金の低さ
DeepSeekの特徴として、まずは特筆すべき一番の特徴は利用料金の安さです。DeepSeekは優れたAIモデルを低コストで提供することで注目を集めています。特に、Web版やモバイルアプリ版の利用は無料で、アカウント登録で利用可能です。
APIの利用に関しては、従量課金制が採用されています。例えば、DeepSeek-R1モデルの場合、入力トークン数と出力トークン数に基づいて料金が設定されています。具体的には、入力トークンは100万トークンあたり0.55ドル(キャッシュミス時)、出力トークンは100万トークンあたり2.19ドルとなっています。この低価格を実現している背景には、前述したとおり低コストで開発したことが考えられるでしょう。
特徴2 オープンソースとしてモデルを無料公開
オープンソースとは、ソフトウェアのソースコードが一般に公開され、誰でも自由に使ったり、変更したり、再配布できる仕組みのことです。DeepSeekはモデルやアルゴリズムをオープンソースとして公開されており、これにより、研究者や開発者が自由に利用・改良できる環境を提供しています。
同様の動きとしてMeta社のAIモデル「Llama」もオープンソースとして公開されており、社会全体での生成AIの活用を促進させています。
オープンソースということは、技術力さえあれば、自社用に完全カスタマイズし、閉じられた環境でまずはリスクを低くして使ってみることができます。
リスクについて-DeepSeek利用って安全?
個人情報等のプライバシーについて
DeepSeekを利用する際のデータプライバシーについてはどうでしょうか?プライバシーポリシーにはこのように明記されています。
“When you use our Services, we may collect your text or audio input, prompt, uploaded files, feedback, chat history, or other content that you provide to our model and Services.“
(サービスを利用する際、テキストや音声入力、プロンプト、アップロードファイル、フィードバック、チャット履歴、その他のコンテンツを収集する場合があります。)
引用:DeepSeek「DeepSeek Privacy Policy」 https://chat.deepseek.com/downloads/DeepSeek%20Privacy%20Policy.html
つまり入力やアップロードしたデータはDeepSeek側に収集されるリスクがあるということであり、会社の機密情報やプライバシーに関わる情報は使用しない方がよいでしょう。また、2025年1月30日現時点ではオプトアプトの申請は用意されておらず、法人での利用は難しいでしょう。
アウトプット(回答)の信用性について
DeepSeekは数学的推論などの面で世界をリードする他のモデルより優れたスコアを出していますが、AIが回答する情報の信用性についても理解する必要があります。DeepSeekだけでなく、ChatGPT、Gemini、Claudeといった有名な生成AIも、質問を正確に理解し適格な回答をするためには膨大なデータを学ぶ必要があります。DeepSeekに関しては短期間で低コストで開発されたAIのため、学習データをどのように用意したのかが未だ不鮮明な部分があります。そのため利用する際は一歩引いて見るようにし、回答はすぐに鵜呑みにしないようにしましょう。他の生成AIも同様であり、特徴を踏まえ、回答された情報のソース等をよく調べ信用度を計る必要があります。
DeepSeekはどこで使える?
DeepSeekは以下の4つのいづれかのパターンで利用することができます。
・Web版
DeepSeek APIとオープンソースでの利用は開発者用ですので、一般の方は基本的にはWeb版かスマホアプリを触っていただくのが良いかと思います。2025年1月30日時点ではWeb版、アプリ版両方とも無料で利用することができますが、DeepSeek R1モデル(Deep Thinkモード)を利用する場合は1日あたり50回の利用という制限があるようです。APIでの利用については従量課金制で料金が発生します。
今後の生成AI市場はどうなる?
DeepSeekは高性能なAIモデルを低コストで提供することで、AI技術の普及と利用の拡大に大きく影響をあたえました。これにより今後の生成AI市場は品質の向上と価格での競争が激化することが見込まれます。今回のDeepSeekの台頭で米AI関連株が暴落しましたが、社会のAIに対する期待や需要は失われたわけではありません。より、ビジネスシーンだけでなく日常生活にAIの活用が浸透していくことでしょう。また、それにあたってより一層、生成AIの利用にはデータの保護や緊急時の対応などのセキュリティ対策やリスク管理が必要になってきます。
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