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なぜFAQベースのチャットボットは限界なのか?RAGが打開策になる理由

IT技術トレンド 2025.03.24

「FAQ型のチャットボットが思ったように機能しない…」そんな課題を抱える企業が増えています。本記事では、FAQベースのチャットボットの限界と、RAG(Retrieval-Augmented Generation)という次世代のアプローチによって課題をどう解決できるのかを、わかりやすく解説します。

FAQベースのチャットボットがうまくいかない理由

チャットボットと聞くと、まず「よくある質問(FAQ)」をベースにした自動応答システムを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実際、多くの企業が、問い合わせ件数の削減やオペレーターの負担軽減を目的に、FAQ型のチャットボットを導入しています。

しかし、「うまく使われていない」「問い合わせ削減につながらない」「更新に手間がかかる」といった課題を抱えている企業も少なくありません。
では、なぜFAQベースのチャットボットは“限界”を迎えているのでしょうか?

FAQ型チャットボットの3つの限界とは?

FAQベースのチャットボットには、以下のような構造的な課題があります。

限界①:定型パターンしか対応できない

FAQチャットボットは、あらかじめ用意された「質問と回答」のペアに基づいて応答します。そのため、ユーザーが入力する文言が少しでも想定と異なると、適切な回答が返ってこないことが多くあります。

たとえば、「送料は無料ですか?」という質問に対して「配送に関する質問」などと曖昧にしか分類できず、ユーザーの求める答えにたどり着かないというケースが頻発します。

限界②:メンテナンスコストが高い

FAQデータは企業のサービス内容や運用ルールの変更とともに、頻繁な見直しが必要です。しかし、登録内容が多くなると管理が煩雑になり、「古い情報のまま回答してしまう」リスクも高まります。

特に複数部署にまたがるナレッジを扱う場合、情報の整合性を保つだけでも一苦労です。

限界③:顧客の“質問の意図”を汲み取れない

人間であれば文脈や表現の違いから意図を読み取ることができますが、FAQ型チャットボットは基本的にキーワードマッチングに依存しているため、言い回しの違いに対応できないことが多いです。

その結果、ユーザーが「何度も質問し直す」「結局有人対応に回される」という体験になり、CX(カスタマーエクスペリエンス)を損ねてしまいます。

次世代の選択肢「RAG(Retrieval-Augmented Generation)」とは?

こうしたFAQ型の課題を根本から解決する技術として注目されているのが、「RAG(リトリーバル・オーグメンテッド・ジェネレーション)」です。

RAGは、ユーザーの質問に対して以下の2つのステップで応答を行います。

①社内ナレッジなどから関連情報を検索(Retrieval)

②その情報をもとに自然な回答を生成(Generation)

このアプローチにより、FAQのように「事前に定義したQ&A」に依存せず、柔軟かつ正確に応答できるチャットボットを実現できます。

RAGがFAQチャットボットの限界を打破する理由

RAGは単なるAIチャットボットではなく、ユーザーの意図と企業のナレッジをつなぐ架け橋になります。では、なぜRAGは「限界突破」につながるのでしょうか。

質問の表現ゆれに強い

RAGはキーワードマッチングではなく、「意味ベース」でのマッチングを行うため、言い回しが違っても、内容的に近いナレッジを参照することができます。

「返品したい」「商品を返したい」「送り返すには?」といった表現の違いにも柔軟に対応できます。

メンテナンスがシンプルになる

FAQのように個別の質問と回答を登録・更新するのではなく、ナレッジベースとなる情報(マニュアル、仕様書、社内ドキュメントなど)を整備するだけで済むため、メンテナンスコストも大幅に削減されます。

回答が“文脈に沿って自然”

検索された情報をもとにAIが文章を生成するため、FAQのような機械的な文面ではなく、より自然で親しみやすい文章を返すことができます。これにより、ユーザー満足度の向上にもつながります。

RAGを導入するケース例

ここで、FAQ型からRAGチャットボットへ移行する企業をケース例としてご紹介します。前提条件として、国内で複数のWebサービスを展開する中堅企業で、問い合わせ対応の効率化を目的にチャットボットを導入しているとします。

導入前の課題

・FAQベースのチャットボットを運用していたが、利用率は全体の問い合わせの20%未満

・ユーザーが「質問を正しく入力しないと答えが返ってこない」と感じ、直感的に使いにくい

・サポート部門がFAQの更新・管理に追われ、本来の業務に集中できない

RAG導入後の変化

ユーザーによる自己解決率が20% → 68%に改善

有人対応の工数が月間40時間以上削減

チャットボットの評価スコアが2.9 → 4.3(5点満点)へ向上

このような課題をお持ちの場合、上記のようなメリットを得ることが期待できます。

RAGチャットボットを始めるには?

RAGの仕組みを聞くと「複雑そう」と感じるかもしれませんが、実際には段階的に導入していくことが可能です。以下は、スモールスタートで始めるためのステップです。

ステップ1:対象となるナレッジを選定する

まずは、問い合わせ件数が多いカテゴリや、ユーザーからの満足度が低い分野を選定し、その周辺の情報をナレッジベースとして整備します。

例:配送・返品に関するガイド、サービスの料金体系、アカウント登録手順など。

ステップ2:ナレッジの構造化とインデックス化

RAGで検索しやすくするために、PDFや社内ドキュメントを構造化して整備します。

検索性を上げるためには、段落単位やセクションごとに整理されたテキストデータ化が理想的です。

ステップ3:試験運用とログの活用

一部ユーザーまたは社内利用などで試験運用を行い、どのような質問が多く、どの回答が満足度が高いかを分析します。その結果をもとにナレッジを拡充し、応答精度を改善していきます。

ステップ4:本格展開と多チャネル連携

安定して成果が出始めたら、Webサイト・LINE・社内ポータルなど、他チャネルへの展開を行いましょう。

RAG基盤を活かして、チャネルごとに異なるナレッジや文体を使い分けることも可能です。

FAQ型 vs RAG型チャットボット比較表

上記の説明をFAQ型とRAG型の比較表にまとめました。

FAQ型のチャットボットには、一定の効果はあるものの、表現のゆれ・柔軟な応答・メンテナンスの難しさなど、さまざまな壁があります。その限界を超える新たな手段として注目されているのが、RAGを活用した生成AIチャットボットです。自然な対話を実現しつつ、企業ごとのナレッジに基づいて正確に回答できるRAG型は、今後のスタンダードになっていくでしょう。

社外への問い合わせ対応に使えるRAG型チャットボット

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・ダッシュボードで対話データを分析しFAQ、Webページの改善に

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