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ECサイトの分析の方法とつまずきやすいポイント

ECサイト 2025.02.25

いま運用しているECサイトについて現状を把握していますか?うまくいっているように見えても、実はもっと伸ばせる可能性があったり、そもそもうまくいってなかったりする状態だとすれば、それは大きな機会損失です。ECサイトの運営において、売上向上や顧客満足度アップを目指すなら、データに基づいた分析が欠かせません。しかし、「何をどう分析すればいいのかわからない」「データの見方が難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、ECサイト分析の基本的な考え方と具体的な方法を解説し、よくあるつまずきポイントとその解決策も説明します。

ECサイト分析の基本的な考え方

ECサイトの分析を始める前に、まず「なぜ分析するのか」を明確にすることが大切です。分析の目的は、データを集めること自体ではなく、ECサイトやEC事業の課題を見つけ、改善策を導き出し、目標(例えば売上アップや顧客体験の向上)につなげることです。ECサイトの分析は以下の3つの考え方を軸に進めることができます。

1. 課題発見をゴールにする

ECサイトには、アクセス数、購入率、客単価などさまざまなデータがあります。これらをただ眺めるのではなく、「どこに問題があるのか」「何を改善すれば成果が上がるのか」を見極めることが重要です。例えば、訪問者は多いのに購入に至らない場合、課題は「購入プロセス」に潜んでいる可能性があります。

一度もしっかりと分析をしたことがなければ、網羅的に現状把握をすることには意味があります。それでも「分析したい」と思った理由があるはずです。「広告で流入しているはずなのに、コンバージョンされていない気がする」「リピートが想定より少ない」「急に売り上げが下がった」などです。

ちなみに「急に売り上げが下がった」場合は、競合他社が影響している場合があります。その場合はECサイトのみの分析以外にも目を向ける必要があります。どんな理由で、どんな課題を設定し、原因を究明するかは、分析の大事なスタートポイントです。

2. データの比較を活用する

ECサイト分析結果の単独の数字だけ見ても、それが良いのか悪いのか判断できません。過去のデータや競合、他カテゴリの平均値と比較することで、自社ECサイトの状況を把握しやすくなります。例えば、昨月と今月の購入率を比較して低下しているなら、何か原因があるはずです。

3. コンバージョンに近いポイントから分析する

どこから分析するか、については、以外と抜けがちなポイントです。ECサイトでは、ユーザーが商品を購入するまでの流れ(閲覧→カート追加→決済)を分析します。特に、購入(コンバージョン)に近い部分での離脱は機会損失に直結するため、優先的にチェックしましょう。例えば、カートに入れたのに決済に至らない場合、入力フォームが複雑すぎる可能性もあります。入力フォームを最適化する(EFO, Entry Form Optimization)ことによって、改善の効果を出すことができるでしょう。コンバージョンに近いポイントから分析するのは、改善の効果を出しやすいところから着手するということでもあります。

ECサイト分析の具体的な方法

初めてECサイトの分析をする場合は、先人たちがたどってきた「型」に沿って実施するのがおすすめです。ここでは具体的な分析手順を5つのステップで解説します。これを実践すれば、データから改善ポイントを見つけ出すことができます。まずは一つでも改善ポイントを見つけ、ECサイト分析をやる意義を感じてみてくださいコンバージョンに近いポイントから分析するのは、改善の効果を出しやすいところから着手するということでもあります。

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ステップ1: 分析の目的を決める

まずは、何を達成したいのかを明確にします。

「売上を10%増やしたい」
「カート離脱率を減らしたい」
「リピート購入を増やしたい」

目的が決まれば、どのデータを分析すべきかが自然と見えてきます。

ステップ2: 重要指標(KPI)を設定する

目的に応じた指標を選びましょう。ECサイトでよく使われるKPIは以下の通りです

売上: サイト全体の収益。訪問者数×購入率×客単価で計算。
訪問者数(セッション数): サイトへのアクセス数。
購入率(コンバージョン率、CVR): 訪問者のうち購入に至った割合。
客単価: 1人あたりの平均購入金額。
カート離脱率: カートに追加したのに購入しなかった割合。
例えば、売上を増やしたいなら、これらを分解してどこに課題があるかを見ます。

ステップ3: データを収集する

Google Analyticsなどのツールを使って、必要なデータを集めます。ShopifyをはじめとするECプラットフォームにもダッシュボードがあります。そこから見ることもできます。できることなら、Shopifyなどのプラットフォーム上で、広告などの効果を常に確認できるようにデータ連携を設定しておくのが良いでしょう。

ECサイト分析で収集するデータとしては、具体的には以下のようなものがあります。なお、データを期間別(日次、月次)やデバイス別(PC、スマホ)に分けて整理すると、より深い分析が可能です。

トラフィックデータ

• 訪問者数(ユニークビジター数、セッション数)
• 流入経路(検索エンジン、SNS、広告、直接流入など)
• ページビュー数

ユーザー行動データ

• 閲覧ページ(どの商品ページやカテゴリが見られているか)
• 滞在時間(サイト全体やページごとの平均滞在時間)
• 直帰率(1ページのみ見て離脱する割合)
• カート追加率(商品をカートに入れたユーザーの割合)
• カート放棄率(カートに入れたまま購入に至らない割合)

購買データ

• 売上高(総額、商品ごと、カテゴリごと)
• 購入数(注文数、商品ごとの販売数)
• 平均注文額(AOV: Average Order Value)
• コンバージョン率(訪問者に対する購入者の割合)

顧客データ

• ユーザー属性(年齢、性別、地域など、登録情報があれば)
• 新規顧客 vs リピート顧客の割合
• 購入頻度(リピーターの行動パターン)

マーケティングデータ

• キャンペーンの効果(クリック数、CTR: Click-Through Rate、ROI: Return on Investment)
• クーポンや割引の利用状況
• メールマーケティングの開封率やクリック率

デバイス・技術データ

• 使用デバイス(PC、スマホ、タブレット)
• OSやブラウザの種類
• ページ読み込み時間(サイトの速度)

検索・キーワードデータ

• サイト内検索で使われたキーワード
• オーガニック検索で流入したキーワード(SEO関連)

在庫・商品データ

• 在庫回転率(どの商品が売れやすいか)
• 人気商品ランキング
• 売れ残り商品の特定

ステップ4: データ分析と課題特定

集めたデータを比較し、問題点を見つけます。

例えば「訪問者数は多いが購入率が低い」場合は、商品ページや決済プロセスに問題がある可能性があります。

「カート追加後に離脱が多い」場合は、送料が高すぎる、入力項目が多すぎるなどの原因が考えられます。

ヒートマップツールを使えば、ユーザーがどこで迷っているかを視覚的に確認することもできます。

ステップ5: 改善策を立案・実行

課題がわかったら、具体的な施策を考えます。例で考えてみましょう。

購入率が低い → 商品説明を充実させたり、CTAボタンを目立たせたりする。
カート離脱が多い → 決済手順を簡素化したり、送料無料ラインを下げる。

実行後は、再びデータを集めて効果を検証し、PDCAサイクルを回しましょう。

ECサイト分析でよくつまずくポイント

ECサイトの分析は簡単そうに見えて、初心者から中級者までが陥りがちな落とし穴があります。ここでは、よくあるつまずきポイントとその対処法を紹介します。なお、つまずくことが多い場合は「ECサイト分析の基本的な考え方」に立ち戻ってみてください。基本的な考え方をしっかり実践していれば、つまずきも減りますよ!

1. データが多すぎて何を見ればいいかわからない

つまずきポイント: Google Analyticsを開くと、指標が多すぎて混乱する。

解決策: 目的に直結するKPIだけに絞りましょう。売上を増やしたいなら、まずは「売上」「訪問者数」「購入率」「客単価」の4つからスタート。慣れてきたら、他の指標(離脱率や流入経路など)を追加して、徐々に広げていくことがポイントです。コンバージョンに近いところ(改善の効果が出やすいところ)を意識することをお勧めします。

2. 分析結果を改善につなげられない

つまずきポイント: データを見ても「だから何?」で終わってしまう。

解決策: 「仮説」を立てて分析しましょう。例えば、「購入率が低いのは商品画像が少ないからでは?」と仮説を立てて、画像を増やした後に購入率が上がるかを検証します。仮説がないと、データはただの数字の羅列です。

3. ツールの使い方がわからない

つまずきポイント: Google Analyticsやヒートマップツールの設定や見方が難しくて挫折する。

解決策: まずは基本機能だけを使うことから始めましょう。Google Analyticsなら「リアルタイム」「ユーザー」「行動」のタブだけでも十分な情報が得られます。ECカートのダッシュボードもあわせてみながらやれば、それだけで十分な情報が取れます。ツールの学習まで時間が取れない場合は、専門家に依頼するのも方法です。まずは分析だけからのスポットコンサルティングでもよいでしょう。そのスポットコンサルティングの中で、今後定点観測ができるような設定まで依頼することで、今後は自分たちだけである程度分析することができるようになります。

4. 短期的な結果を求めてしまう

つまずきポイント: すぐ効果が出ないと「分析しても無駄」と感じる。

解決策: 分析は長期的な視点で行うものだと割り切ってください。1回の施策で劇的に変わることは稀です。データを継続的に集め、少しずつ改善を積み重ねることが成功の鍵です。定点観測と習慣化で、長期視点で大きな効果を狙いましょう。

5. ユーザーの気持ちが見えない

つまずきポイント: 数字だけ見て「なぜこうなるのか」がわからない。

解決策: 「ユーザーの気持ちが見えない」現状は、多くのケースで見られます。定量データ(数値)に加え、定性データ(アンケートやレビュー)を組み合わせましょう。ユーザーが離脱する理由を直接聞くことで、数字の裏にある心理が明確になります。自社について口コミを注意深く分析する方法もあります。なお、顧客へのアンケートキャンペーンを実施することもできます。ポイント付与や次回利用できるクーポンをインセンティブにすることで多くの顧客の声を集めることができます。なお、このようなキャンペーンやフィードバック獲得についても、特別オファーの機能がECのプラットフォームについていたりもするので、それらの機能をうまく活用するようにしましょう。

効果を感じられるところから

ECサイトの分析は、売上や顧客体験を向上させるための強力な武器です。基本的な考え方を押さえ、目的に応じたKPIを設定し、データを活用した改善を進めることで、成果が少しずつ見えてきます。最初はつまずくこともあるかもしれません。小さな成功を積み上げていけるように、効果を感じられるところからやってみてはいかがでしょうか。まずはコンバージョンポイントに近いところから着手しましょう。

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